2001年「愛し子よ」でデビュー以来7枚のシングルと4枚のオリジナルアルバム、それから「楳図かずお恐怖劇場/ルルティア・トラッス」をリリースと、これまで順調に活動されてきているという印象が強いのですが、間もなくデビューから5年目にさしかかろうという時に自らインディーズへ移行したということはどんな心境からなのでしょうか。
■ルルティア
デビューしてこの4年間、私はとても守られた環境の中で制作をさせてもらっていました。レコード会社の方や、事務所の方も私の作る音楽をとても大事に扱ってくれた。普通はやらなければならない制作以外の事もやらなくてすんだし、ただただ音楽を作るということに専念すれば良かったんです。そんな整えられた環境の中で集中して制作を続けていたから、この4年間でいつのまにか私自身音楽に対しての意識が1周したことに気がついたんです。じゃあ1周したのだから「次のステップ」に進まなければいけないなと思って。
■山田
その「次のステップ」というのがインディーズを立ち上げるという事だったんですね。
■ルルティア
はい。私にとって常に変化していくという事はとても大切なんです。整えられた環境は居心地がいいから留まっていたくなるけど、それでは新しい事には出会えないから。出来るだけいろんな事に出会ってそれに向き合って気持ちを波立たせて「今自分が表現したいのはこれなんです」っていう作品を作り続けたいんです。それにはより自分の気持ちに忠実になれる制作環境が必要だった。それと、メジャーはたくさんの人によって成り立っている世界だから全てがシステム化されていて、携わる人も色んな意向があるし、リリースする時期とかももう何ヶ月も前から決まっているから、なんていうか想いのタイミングがずれるんです。曲が届くときにはそれはもう、今の自分の想いではなくなってしまうというか。それが悪いといっているのではなくて、私は、昨日書いた手紙が今日届くみたいな、待ってくれている人たちに出来るだけ同じタイミングで想いを届けられるアーティストになりたい。そのスタイルを可能にするにはインディペンデントを立ち上げて、自分ですべてを決めてしまえる環境を作ればいいんだって思ったんです。
■山田
不安はなかったの?
■ルルティア
ありませんでした。自分で決めた事ですし。私は音楽を作る事が何よりの幸せ、創作するという事自体が一番の喜びなんです。だから環境が変わってしまって不安になるなんて事はないですね。大切なのは自分がどんな場所にいるかではなくて、どんな場所にいても自分でいられるか、なんです。
■山田
オリジナルアルバム4枚とも聞かせていただきましたが、リリースするごとに曲やアレンジ面でも色々なものを取り入れ、すごく意欲が伝わって来たのですけど、先程「1周した」という話が出ましたが、今後の作品は、ある種原点に戻るというようなこともあるのですか?
■ルルティア
アーティストとしてのルルティアが産声をあげてから、これまでは音楽を作るという事は、自分の中に眠っている知らない部分を一つ一つ起こしていくような感覚だったんです。作品を産み出していくごとに、アーティストとしての自分自身の可能性も一つ一つ知っていく、この4年間はその為の時期だったと思うんですね。少しずつ色々な曲やサウンドスタイルを取り入れるようになったし、歌詞についても内に籠っている感情だけではなくて、外に向けられた感情も表現したりするようになってきた。そうやって自分を探りながら変化して前に進んでいくうちに、私の中の変わらない部分というのを見つける事が出来たんです。その「変わらない部分」の価値観が理解できたおかげで、自分自身がこれから何処に向かっていきたいのかがはっきりしてきた。今私が産み出している作品は、この事がとても大きく影響しているなって実感しているんです。これからはもっともっと自分自身を深く掘り下げていきたい。だから1周して「原点に戻る」という表現は間違いではないんだけど、まったくのスタートラインに戻る事とは全然違っていて、私としてはやっぱり違うステップ、第二期に入ったという感覚になるんです。
■山田
なるほど。今後はさらにディープなルルティアワールドが期待できそうですね。さて、そのアーティスト活動第二期としてのファーストシングル「スピネル」が11月21日にリリースされるそうですが、これについては次回のインタビューで詳しい内容をお伺いしたいと思います。
インタビュー実施日:2005.09.22